「外壁塗装工事ってどんなことをする?」
「外壁を塗装するメリットはある?」
「外壁塗装工事の適切なタイミングが知りたい」
外壁塗装工事とは、建物の外側にある壁や、屋根を塗装する工事です。
家を建てた当初はきれいだった外壁も、雨風にさらされ、時間の経過とともに劣化するのを避けられません。
一般的な戸建て住宅は、築10年を経過すると、外壁の劣化がはじまります。
したがって、築10年のタイミングで、外壁の塗り替えをするのがベストです。
今回の記事では、外壁塗装工事について、メリットと適切なタイミングを解説します。
外壁塗装工事とは?
外壁工事は、家の外壁を修繕したり、メンテナンスする工事の総称で、いくつかの種類があります。
外壁工事のひとつである塗装工事は、屋根・壁などの塗装をして、外壁の機能や外観を復活させる工事です。
工事の作業工程は、外壁を塗装するだけでなく、汚れを落とす高圧洗浄や、傷んでしまった箇所の修繕も含まれます。
塗装工事に必要な期間は、平均で1〜2週間で、時間をかけて仕上げます。
外壁塗装のメリット
外壁塗装をおこなうと、以下7つのメリットがあります。
- 美観の向上
- 耐久性の向上
- 省エネ効果
- 防水性・透湿性・耐水性の向上
- 耐火性
- 防カビ・防藻性
- 低汚染性
外壁塗装工事をおこなう際は、重要視したいメリットを業者へ伝え、希望に合う塗料を提案してもらいましょう。
美観の向上
外壁塗装のメリットで、1番イメージしやすいのは、美観の向上です。
新築から時間が経過すると、少しずつ外壁が劣化して、汚れやごみが付着しやすくなります。
汚れだけを取り除いたとしても、外壁が劣化した状態では再び汚れますし、劣化を放置すると大きな修繕が必要な事態を招きます。
定期的に外壁塗装の点検・メンテナンスをおこない、建物を美しく保ちましょう。
耐久性の向上
外壁塗装は、外壁を守る役割を果たしています。
劣化した塗膜(塗料の層)は、外壁の耐久性を低下させてしまいます。
外壁を塗りなおすことで、建物の耐久性を向上させましょう。
耐久年数は、使用する塗料によって大きく変わります。
一般的にはシリコン系の塗料を使用することが多く、10年程度の耐久年数となります。
省エネ効果
住宅の省エネ効果を高める手段の1つとして、外壁塗装の塗料を使って、断熱性と遮熱性を高める方法があります。
省エネ効果を高めると、夏は涼しく、冬は暖かい住宅にできます。
断熱性
外壁の断熱性とは、気温の変動に強く、塗装面の熱を伝わりにくくする機能です。
断熱性能のある塗料を使用すると、夏は暑さから室内温度を守り、冬は室内温度を逃がさない外壁となります。
遮熱性
外壁の遮熱性とは、太陽の熱や光をさえぎり、建物の中に伝わりにくくする機能です。
遮熱効果の高い塗料を使用すると、遮熱だけでなく、紫外線等の影響を少なくでき、外壁の劣化を防ぐ効果も期待できます。
防水性・透湿性・耐水性の向上
外壁塗装の一番のメリットは、防水性の向上です。
傷みが進む大きな原因は雨水で、経年劣化がすすむと、外壁から少しずつ水が侵入して、下地を傷めてしまいます。
外壁塗装の塗料には油分が含まれており、再塗装をおこなうとコーティングの役割を発揮します。
塗装後の外壁は艶がうまれ、水・紫外線・雨水・汚れた空気等から家を守ってくれます。
もし、外壁から雨漏りが発生している場合は、防水性に富んだ塗料を使用するとよいでしょう。
また、透湿性は、外からの水分を通さず、建物内部の湿気を外部に通す機能です。
建物内部の結露や腐食、塗膜の膨れなどを防ぐ効果があるため、断熱性がある建物や結露がある場合に有効です。
耐火性
外壁の耐火性とは、燃えにくい性能で、火災の延焼を最小限にとどめる機能です。
塗料によっては、火災のときに塗膜が数十倍に発砲し、不燃材になる種類もあります。
耐火塗料と呼ばれ、商業施設や店舗、倉庫や工場などで多く使用されます。
防カビ・防藻性
外壁の防カビ・防藻性とは、塗装面にカビや藻が発生しにくくする機能です。
カビや藻は、日が当たりにくい建物や外壁、湿気が多い場所や、植物が多い場所に発生しやすい傾向があります。
建物の湿気が原因で発生するカビアレルギーがあり、特に最近のこどもに見られる現象です。
カビは、建物の劣化や美観を損なうだけでなく、人体に影響を及ぼすので、塗装工事できれいに塗り直すのがおすすめです。
低汚染性
外壁の塗膜は、親水性が高く水に馴染みやすいため、汚れにくいのが特徴です。
親水性が高いと、塗膜に汚れなどが付着しても、汚れと塗膜の間に雨水が入りこみ、汚れが落ちやすくなります。
また、雨水を弾き過ぎず、塗膜に薄く広がって、排ガスなどの油性汚れを弾く効果もあります。
交通量の多い道路沿いの建物や、洗浄の手間を掛けたくない場合に有効です。
外壁塗装工事のタイミングは10年が目安
外壁塗装工事の適切なタイミングは、10年が目安です。
築10年だと、遠目では劣化に気がつきにくい場合が多いですが、塗料には耐久年数があるため注意が必要です。
目立った損傷や変色がないからと放置すると、劣化を見逃して、大規模な工事が必要になります。
まずは10年を目安に、点検・メンテナンスを受けるのをおすすめします。
外壁塗装の劣化を見分ける4つのサイン
外壁の劣化が進むと、劣化の症状が現れます。
外壁の劣化は、以下4つのサインで見分けましょう。
劣化のサイン | |
変色や退色 | 塗膜が色あせたり、色が薄くなったりして、外壁の色がまだら模様になっている。 |
チョーキング現象 | 外壁表面の油分がなくなり、手で触れると粉チョークのような粉がつく。 チョーキング現象がおきると、撥水性は失われている。 外壁の劣化でもっとも多いサイン。 |
ひび割れ(クラック) | 外壁に大小のヒビが入り、雨水が浸透しやすくなるため腐食に繋がる。 ひび割れが見られた場合は、早急な対処が必要なため、早めに塗装会社へ連絡する。 |
付帯部のサビ | 接続部や、外壁に設置されたアンテナなどのサビが多い。 鉄部は撥水性がなく、腐食スピードが早い。 |
劣化のサインがあるなら、外壁塗装工事のタイミングといえます。
外壁塗装工事の費用相場は?
外壁塗装工事の費用相場は、80〜140万円です。
費用に含まれる内訳は、以下のとおりです。
- 足場の費用
- 高圧洗浄費
- 養生費
- 付帯物の塗装費
- 廃棄物処理費
- 人件費や交通費
- その他
また、以下の条件によって、費用が変動します。
- 使用する塗料
- 家の広さと高さ
- 外壁の劣化の程度
- 屋根塗装を一緒におこなうかどうか
- 業者(価格設定が異なる)
今回は、一般的に使用されるシリコン塗料を基準に、家の大きさごと(坪数別)の相場をまとめました。
ただし、劣化状況などの条件によって異なります。
坪数 | 相場 |
20坪 | 60~80万円 |
30坪 | 75~100万円 |
40坪 | 80~130万円 |
50坪 | 100~160万円 |
住宅金融支援機構の2022年度フラット35利用者調査によると、一般的な戸建ての住宅面積(全国)は、建売住宅が101.9平方メートル、注文住宅で122.8平方メートルです。
坪数に換算すると、一般的な戸建ての住宅面積(全国)の平均坪数は、約31〜38坪となります。
よって、外壁塗装工事の費用は、80〜140万円が目安となります。
劣化が激しい場合や、機能性の高い塗料を使用すると、必要な費用は高くなります。
自分の家の費用相場は、複数の業者に見積もると分かります。
まとめ
外壁塗装工事について、工事のメリットと適切なタイミング、費用相場について解説しました。
外壁の劣化が進行すると、雨漏り・腐敗などによって、多額な工事が必要になります。
外壁塗装の点検・メンテナンスをする適切なタイミングは、築10年ごとです。
劣化が進む前に、新しいコーティングで外壁を守り、安全な家に長く住む対策をしましょう。
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